成長著しいバッテリー産業を生産設備から支える、徳島発の技術者集団。
丸井産業株式会社
代表取締役社長 住友 達也
大学卒業後、全国展開する精密機械メーカーに入社。技術営業として、東京・大阪・名古屋をはじめとする全国の拠点を飛び回り、大手電機メーカーなどを担当。リチウムイオンバッテリーの開発プロジェクトに複数携わった経験を活かし、仲間とともに起業を決意。48歳で地元・徳島にUターンし、丸井産業の経営権を譲り受ける形で2004年12月に事業を開始。代表取締役社長として、リチウムイオンバッテリー開発に関わる生産設備を通じ、顧客の課題解決に取り組む。研究開発段階から電機メーカーや自動車メーカーの開発部門と連携し、また電池メーカーからの高い要望にも応えることで、リチウムイオンバッテリー生産設備の分野において高い信頼を得ている。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。
リチウムイオンバッテリーの黎明期から積み上げてきた歴史。
私は大学を卒業後は機械メーカーに就職し、技術営業として25年にわたって全国を飛び回り、各地の大手メーカーと仕事をしてきました。そして、仕事を通じて得た経験・知識や人的ネットワークを活かして、自分で事業を立ち上げようと地元・徳島へUターンしました。
丸井産業はもともと材木系の会社でしたが、休眠状態であったため前社長から経営を引き継ぎ、2004年12月に同社の新規事業として製造設備の設計・製作・据付の事業をスタートさせました。
かつてサラリーマンだった頃、私は電機メーカーなどのリチウムイオンバッテリー開発プロジェクトに関わっていました。そうした経験もあり、バッテリー生産に関わる製造設備を手がけていましたが、人的リソースの兼ね合いもあり選択と集中としてリチウムイオンバッテリー分野の生産設備を中心に事業を推進してきました。
当初は携帯電話用バッテリーの製造設備を手がけていましたが、現在では全世界的にカーボンニュートラルが叫ばれる時代となり、各自動車メーカーがハイブリッド車やEVに取り組み始めました。そのような状況下で私たちへのオーダーもどんどん拡大していきました。
経済産業省や徳島県などの後押しもあり、追い風が吹くバッテリー産業。
リチウムイオンバッテリーは、家電や自動車だけに使われるものではありません。宇宙を飛ぶ惑星探査機や人工衛星にも搭載されますし、軍事用途でも利用されています。そのリチウムイオンバッテリーをすべて輸入に頼っていては、万一、政情不安などで物流ルートが閉じられてしまった場合、経済面だけでなく安全保障面でも日本は大きなダメージを被ることになります。
また、言うまでもなく、カーボンニュートラルを達成するには、リチウムイオンバッテリーのさらなる活用が不可欠です。そこで経済産業省主導のもと、リチウムイオンバッテリーをオールジャパンで作っていこうという構想が動いています。
これは2030年までに、リチウムイオンバッテリーについて年間150ギガワット時の生産能力を国内で確保できる開発・生産環境を整える取り組みです。現状比で7~8倍に拡大するという大変野心的な目標であり、達成は容易ではありません。
そのため経済産業省は1兆円単位の枠組みを作り、約3,500億円の助成金を出して、リチウムイオンバッテリーに関わる各企業を後押ししています。国内の大手自動車メーカー・電池メーカーが助成認定を受ける中、丸井産業もその列に加わりました。徳島県の企業でこの認定を受けたのは、当社を含め2社だけです。
また、経済産業省の進めるプロジェクトとは別に、徳島県独自で「徳島バッテリーバレイ構想」の動きもあります。この構想は徳島に集積するバッテリーに関連する事業者を支援し、雇用創出や人材育成を行い、バッテリー産業を徳島県の新たな産業の柱に育てていく構想です。このように国・県などの強い後押しもあり、リチウムイオンバッテリーの分野には強い追い風が吹いています。
とはいえ、2030年までに日本国内で年間150ギガワット時の生産能力を達成するためには、今まで以上に質だけでなくスピードが求められます。そうした中で期待に応えていくために、自社の採用はもちろん、バッテリー産業に関わる事業者を増やして事業連携も深めることで目標の実現に向けてまい進していきます。
大手メーカーの研究開発からものづくりをサポートしてきた実績。
リチウムイオンバッテリー生産には、いくつもの工程があります。大きく分けると、原材料から正極材、負極材を作成する「電極製造工程」、正極材・負極材を組み付けて電池セルを作成する「組立工程」、そして完成した電池セルに充放電を繰り返し、セルを安定化させる「検査工程」です。それぞれが、さらに細かな工程に分かれます。
丸井産業の強みは、「組立工程」の中でも、封止された電池セルに電解液を注入する「注液」工程にあります。もちろん生産設備を一通り提供できるノウハウはあるのですが、選択と集中という観点から、製造工程の中でも重要度が極めて高い「注液」工程の製造設備に特化しています。
電解液を入れる前と入れた後では、取り扱いの難しさが格段に変わってきます。電解液は石油混合物であり、消防法で規定する第4類の引火性液体に該当するため、厳重に取り扱わなければなりません。この「注液」工程以降の段階をスムーズに進めるための生産設備を、提案から据付まで一貫して対応できる会社は決して多くありません。これが、多くの自動車メーカー・電池メーカーから当社が頼られる原動力になっています。
丸井産業は、リチウムイオンバッテリーに取り組み始めて20年超の蓄積があります。電池メーカーはもちろん、電池を利用する自動車メーカーや電機メーカーなど、さまざまな会社と取引を行ってきました。各社ごとに「どんな製品に、どんなバッテリーが求められるのか」という情報やノウハウが蓄積されているわけです。
メーカー1社では持ち得ない、バッテリーについての多様な引き出しが丸井産業にはあります。だからこそ、自動車メーカー・電池メーカーなどのバッテリー開発プロジェクトに研究段階から参加し、情報交換しながら設備の構築を進められるのです。
また、バッテリー分野もどんどん進化しており、10~15年先には、「全固体電池」が市場に投入されてトレンドが変わっている可能性もあります。そうした未来も見据えて、当社も既にメーカーとともに研究開発などをスタートさせています。
チャレンジ精神と粘り強さが活躍の原動力。
丸井産業は生産設備メーカーとして、さまざまなバッテリーの研究開発段階から関わり、パイロットラインや量産ラインを構築するお手伝いをしています。過去のノウハウだけで目の前の課題を克服できるほど簡単ではなく、常に新たな発想が求められます。
そんな当社で活躍できるのは、チャレンジ精神の旺盛な人です。トライアンドエラーを繰り返し、壁を乗り越えようとするチャレンジ精神。失敗を怖がらず、失敗から得た気づきを次のチャレンジに活かす粘り強さ。そういった資質があると、前向きにプロジェクトに関わっていけるでしょう。
採用にあたって、技術や経験はもちろん大事ですが、それよりもチャレンジ精神があり、粘り強く課題と向き合ってくれる人なら、異業種であっても積極的に採用したいと思います。実際、これまで中途採用で入社した社員も、異業種の出身者ばかりです。
もちろん、仕事に慣れるまで、時間はかかります。しかし、真面目にコツコツ、一つひとつの経験を大切に積み重ねていけば、数年で活躍できるようになるはずです。仕事の基礎を大切にし、コツコツと信頼を積み上げていける方を求めています。
四国・徳島からバッテリー分野の進化へ貢献。
これまでの実績もあり、大手メーカーの研究者とのやり取りが多いことも当社の特徴です。「この課題、どうやったらクリアできるだろう」と大手メーカーからアイデアが求められることも多々あります。そういった意味では「エンジニア」より「クリエイター」と呼ぶ方が合っているかもしれません。クリエイティビティがある人にとっては、刺激の多い仕事だと思います。
当面は2030年の日本国内での150ギガワット時の生産能力の実現に向け、当社にしかできない役割を果たすことに注力していきます。その先には、グローバル展開も必要になると考えています。
国内メーカーの多くが海外に生産拠点を抱えています。各メーカーが現地拠点でバッテリーを生産することになれば、当社の技術が求められる局面も増えていくでしょう。今でも出張ベースで海外に行ってもらう機会もありますが、今後のニーズ次第ではグローバルに活躍できる人材も欠かせません。
だからこそ、チャレンジ精神やクリエイティビティなど、ポテンシャル豊かな人材にジョインいただき、一緒になって四国・徳島から成長著しいバッテリー分野の進化に貢献してほしいと考えています。