“導入して終わり”にしない。「自走型支援」で中小企業のDXを推進。
株式会社ナイスシステム
代表取締役 天羽 秀樹
徳島県出身。システムコンサルティング会社でのキャリアを経て、2005年に株式会社ナイスリフォームへ入社。経理財務分野から事業成長を支え、管理部門や工事部門の責任者を歴任。2008年、これまでに培ったスキルやノウハウを活かし、会計システムなどの導入・運用サポートを中心とする新規事業を立ち上げる。2017年以降、徳島県以外への商圏拡大と営業所展開を本格的に推進。2021年に新規事業を分社化し、株式会社ナイスシステムの代表取締役に就任。現在は勤怠管理システム・会計システムなどのバックオフィス業務システムの導入支援を主軸に、顧客企業の業務効率化やバックオフィス支援に注力。四国を拠点に岡山県・広島県へと商圏を広げ、ビジネスを展開している。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。
中小企業のバックオフィス業務の効率化を支援。
株式会社ナイスシステムは、企業のバックオフィスにおけるIT活用と業務効率化を支援しています。
これまでに累計2,300件以上(2018年9月~2025年3月)のサポート実績があり、主に中小企業のソフト導入やクラウド活用による業務改善を支援してきました。
多様なバックオフィス業務に対応する業務システムを取り扱っており、勤怠管理、財務会計、給与計算、販売仕入管理、原価管理、固定資産管理といった領域の業務効率化を支援しています。
また、主要なソフトウェアメーカーとパートナーシップを構築しており、顧客ニーズに合わせたソリューションを提供できる体制を整えています。
当社の特徴は、単に業務ソフトを販売するだけでなく、導入前のコンサルティングから導入後の運用サポートまでを一貫して提供できる点にあります。
導入前のコンサルティングでは、企業の業種・業態、業務内容、IT環境をヒアリングし、最適な業務ソフトを提案します。
導入・運用サポートでは、必要なハードウェア環境の構築、ソフトウェアのインストール・セットアップ、さらにソフトウェアメーカー認定のインストラクターによる業務ソフトの使用方法のレクチャーまで行います。
顧客の課題解決に向けた“自走”の仕組みづくり。
私たちが重視しているのは、「お客さまが自走できる体制を構築すること」です。多くのシステム導入支援企業が「設定から運用までの一括代行」を提供する中で、当社は「使いこなす力」をお客さまに身につけていただくことを重視しています。
お客さまがシステムを最大限に活用し、業務効率化を実現することがゴールです。また、システム導入に伴う業務フローの見直しや、管理会計の仕組み化支援などのコンサルティング業務にも力を入れています。
単に作業をデジタル化するだけでなく、経営に直結するデータを効率的に活用できる環境を構築することで、中小企業の成長基盤を強化することに貢献できると考えています。
当社は四国・徳島発祥の企業で、ITリテラシーが十分でない中小企業のサポートを中心に取り組んできました。DX推進が遅れがちな中、そのギャップを埋める役割を少なからず果たしているともいえます。
むしろ人的資本の課題が大きい地方エリアだからこそ、企業のバックオフィス業務を効率化し、社員が本来の業務に専念できる環境を提供していくことに価値があると考えています。
プロフェッショナルとしてのスタンス。
当社の事業スタンスは、システムを販売するのではなく、「顧客が成長できる基盤を構築する」ことです。顧客に「自走」いただくことを重視した「自走型支援」モデルで事業を展開しています。
業界内では年間保守契約による「固定費用」でのサポートが一般的でしたが、サポートが必要となるタイミングはソフト導入時などに限られることが多いため、必要な時だけサポートを受けられる方が双方にとって効率的です。
そのため、当社のサポートは「時間制」で提供しています。また、「時間制」モデルを採用することで、私たちのサービスが適切に評価されると考えています。
プロフェッショナルとして、お客さまにお支払いいただく対価以上のサポート価値を感じていただけるよう、常に最新の知識を身につけ、自己成長を続けることが求められます。
そのような環境だからこそ、「顧客が成長できる基盤を構築する」ことに貢献できると信じています。
なぜ「顧客が成長できる基盤を構築する」ことにこだわるのかといえば、私自身がシステムコンサルティング会社と事業会社の管理部門での経験から得たノウハウを社会に還元したいという想いがあるからです。
私は前職のシステムコンサルティング会社にて多くの企業を支援してきましたが、その立場はあくまで社外からのコンサルティング業務でした。
その後、事業会社に転職。管理部門の責任者として資金繰りや管理会計の導入といった業務に従事し、企業成長に必要な基盤作りを推進してきました。
コンサルティング時代に「頭の中にあった方法論」を事業会社の現場で実践し磨き上げ、「ノウハウ」として確立してきたわけです。この「ノウハウ」をより多くの企業へ提供し、事業成長に寄与していきたいと考えています。
クラウド化によるマーケットの変化。
昨今、業務効率化を目的としたクラウド化やDXの推進が加速し、バックオフィス業務においてもオンプレミス型のシステムからクラウドベースへの移行が進んでいます。
一方で、クラウド化が進むことで新たな課題も浮き彫りになっています。特に中小企業では、ITリテラシーが十分でないため、業務システムを適切に活用できていないケースが見受けられます。
クラウドサービスは便利である反面、利用者がシステムを正しく理解し、自ら操作することが求められます。どんなに優れたツールを導入しても、それを使いこなせなければ意味がありません。
そのため、顧客の「自走」を支援する重要性は依然として変わりません。今後もクラウドサービスの需要は増加していくと予想されますが、市場の変化に柔軟に対応しながら、顧客にとって本当に価値のあるサービスを提供していきたいと考えています。
専門性を活かせる成長フィールド。
当社は事業拡大を目指す中で、人材採用にも積極的に取り組んでいます。管理部門を中心とした業務効率化に取り組んでいるため、管理部門での経理、財務、人事の経験をダイレクトに活かせます。
また、業務システムやIT関連の知見も求められるため、IT関連業界での経験を活かしやすい環境でもあります。
当社が取り組んでいるサービスは、他業界では「カスタマーサクセス」と呼ばれる業務に近いのですが、経理・財務などの専門性とIT知見の両方が必要であり、そのような経験を持つ人材は少ないのが実情です。
そのため、入社後は安心して学べる教育体制を整えており、半年程度をかけて専門知識を習得してもらいます。新しいことを学ぶ姿勢を持つ知的好奇心の高い方にとって、当社は非常に魅力的なフィールドが広がっています。
また、事業が拡大する中で、年間休日数の増加や賃金のベースアップなど、福利厚生の改善も進めています。成長を志向するベンチャー企業としての側面を持ちつつ、社員が長期的に働きやすい環境を整備することが安定的な事業成長につながると考えています。
さらに、一般的な企業ではマネジメント職への昇進がキャリアアップの唯一の道とされがちですが、当社ではスペシャリストとして成長を目指せるキャリアパスも整えています。
「カスタマーサポート」や「コンサルティング」といった専門分野でスキルアップを目指す方に対しても、チャレンジを続けられる環境を提供し、個々の強みを最大限に引き出すサポートを行っています。
今後の方針としては、四国エリアでのビジネスモデルをさらに洗練させつつ、他エリアへの展開も視野に入れています。ナイスシステムが提供する「自走型支援」のモデルは全国的にも需要が高まっており、ソフトウェアメーカーからのサポート依頼はエリアを超えて増加傾向です。
自社でのエリア展開に加えて、オンラインツールを活用してさらに商圏を広げていくことも検討し、顧客の成長を支えていく企業であり続けたいと考えています。