転職成功者インタビュー

四国化工機株式会社
岡本雅弘さん(仮名) 30歳

大手企業から地元企業への転職。慣れ親しんだ土地で手に入れたやりがいと刺激的な日々。

総合重工の技術者として、圧力容器の見積もり業務に携わっていた岡本さん。30歳を節目として、かねてから漠然と考えていた地元徳島へのUターン転職を意識するようになったという。

地元にいる両親のことが気になり始めたことに加えて、新型コロナウィルスの感染拡大により、地元に帰れないまま月日が過ぎていったことも、大きなきっかけとなった。

Uターン転職を成功させ、「働きやすく、それでいて刺激のある環境。お金では測れない価値があった」という岡本さんに、転職体験談を伺った。

※本記事の内容は、2021年10月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで311日間

転職前

業種
総合重工
職種
基本設計、積算業務
業務内容
圧力容器の基本設計、見積もり対応

転職後

業種
機械メーカー
職種
機械設計
業務内容
食品機械充填機に関する部品設計、図面作成

漠然と開始した転職活動。「いつか」が「今」に変わったコロナ禍でのUターンの意識。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

徳島県板野郡にある食品機械充填機メーカー、四国化工機株式会社で働いています。主に飲料・クリーム・豆乳といった、液体の充填機械の設計を担当しています。

機械の基本形は決まっていますが、お客様の仕様にあわせて変更するための部品設計や、CADでの図面作成などを担当しています。人数は多くないので、みんなで一緒に取り組んでいます。

入社前のご経歴を教えてください。

阿南工業高等専門学校の専攻科を卒業し、長岡技術科学大学大学院で機械創造工学を学びました。

修了後は大阪の総合重工に就職。化学プラントなどで使われる圧力容器と呼ばれる大きな鉄の構造物の見積もり対応をメインで担当していました。具体的には、受注するまでの設計、仕様のすり合わせ、原価計算などです。

本当は四国・徳島に戻りたいと考えて就職活動をしましたが、その当時は良い縁が持てず、大阪で就職することになりました。

転職のきっかけは?

初めはなんとなく「転職してみようかなぁ」という軽い気持ちで転職サイトに登録しました。ちょうど30才になる年だったのですが、当時祖父が亡くなり、親のことが心配になり始めて、実家に帰るなら今かなと思ったんです。もともといつかは徳島に帰ろうと考えていましたが、アクションを起こそうと思ったのは、これがきっかけになりました。

その上、新型コロナウィルスの感染が広がり、徳島の実家にも全然戻れずにいました。今後の先行きも見えない中でしたが、まずは転職活動をしてみようと決めました。

転職活動はどのように進めましたか?

いろいろな転職サイトに登録をし、リージョナルキャリア徳島を含めたいくつかの紹介会社とコンタクトを取りました。四国の情報をきれいに揃えて持っているところはあまりなく、ある程度は知っていても、一部業界のみというコンサルタントが多かったですね。

リージョナルキャリア徳島は情報量が一番充実していたので、ここに絞って転職活動をする、と決めました。その後、担当してくれたコンサルタントの溝渕さんに加えて、徳島エリアに強いコンサルタントも含めて情報交換を行い、紹介された企業情報をリスト化して、優先順位を決めて転職活動を開始しました。

今の会社に決めたポイントは?

高専時代のインターンシップ説明会や校内の合同企業説明会に参加し「充填機」という機械が純粋に「面白そう」と感じた記憶があり、個人的にも気になっている企業でした。大学院修了後の就職活動の際も検討しましたが、当時は自分のスキル的に厳しいかなと感じ、選考には進みませんでした。

前職の圧力容器は静止機器と言われる動かないものだったので、今回の転職では『動くものを設計してみたい』と考えていました。

あとは、実際に面接を受けに行った時に、面接官の方と「地元の言葉」で話せて、面接の緊張感よりも懐かしさを感じたんです。やはり地元の企業であること、同級生や高専OBもたくさん活躍していて将来の自分のキャリアビジョンが見えやすかったことが決め手となり、四国化工機への転職を決意しました。

携わった製品が身近で目に見える喜び。休日は地元の友人と釣りを満喫。

転職していかがですか?

やはりストレスが少ないのが嬉しいです。地元の言葉で話せて、慣れ親しんだ土地で働けるので、自然体でいられます。現在の部署では、年齢的にも下から2番目でまだまだ勉強中の立場ですが、新しいことを学べるというのが嬉しいです。

あと、人間関係も良く、優秀な先輩や上司が多いので、刺激のある環境で働けていると実感しています。

また、現職では、自分の考えを積極的に提案できる風土があるので、技術者としても面白さを感じています。

転職して良かったと思うことは?

前職では、プラント内で使われる圧力容器の見積もり業務を担当していたため、貢献実感を得にくい環境でした。ただ、四国化工機は、充填機の製造に加えて、自社開発の自動製造機で「さとの雪」ブランドの豆腐の製造も行っています。そのため、スーパーで自社商品を見かけることもあります。

また、お店で牛乳パック等の裏面を見ると、四国化工機の充填機で製造した製品かどうかが分かるので、自分が携わったものが目に見えるというのは、ものづくりをしている人間としては嬉しいですね。

両親は豆腐をたくさん買って、親戚に配ったりして喜んでくれています(笑)。

困っていることや課題はありますか?

困っていることは特にはありません。年収面も一時的に減少するのは想定していましたので。強いて言えば、充填機の奥深さに追いつくことの大変さでしょうか。

私が担当している充填機は、もともとロール状の紙から、最終的にはレンガ型の紙パックの形に成形されて、中身を充填して蓋を閉じるまでの工程を担う機械です。複雑で繊細な動きをしていますし、部品点数も多い機械です。前職時代は100点ほどだったのが、今は何万点というスケールになっており、材料や構造の知識がまだ追いついていないので苦労しています。

また、仕様通りでも機械がうまく回らないこともあり、もっと充填機の構造や特徴などを積極的に学んでいきたいと思っています。

生活面の変化はありましたか?

これまでは満員電車での通勤が苦痛でしたが、今は車通勤となり、ストレスがなくなりました。また、今は入社したばかりで期限が迫った仕事を任されていないこともあり、残業もほとんどなく定時に終えて家に帰っています。

また、地元から高専まで一緒だった友人も今年5月に徳島へUターンしたので、休日は一緒に釣りに行くなどリフレッシュした生活を過ごせていますね。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私も最初はなんとなく検討してみようという温度感で、転職活動を始めました。転職を決意していなくてもコンサルタントの話を聞いてみて、自分のスイッチが入るきっかけがあれば、全力を注いで徹底的に活動した方が良いと思います。

いろいろなコンサルタントの話は聞きましたが、結果的には連絡や提案のスピード、情報の量や質をもとに、信頼できる紹介会社1社に絞って活動しました。自分で動いて求人を探しに行くことはなかなかできないので、いろいろな角度から情報提供や提案頂けたのは、非常にありがたかったです。

私は、情報をもとに自分でリストを作り、纏めることをしました。その中で自分の軸や信念みたいなものを明確にできたからこそ、ブレることなく、転職活動を進めることができたと思います。人間は何がきっかけになるか分からないので、まずは行動を起こしてみるべきだと思います。本腰を入れる人もいれば、転職活動をやめる人もいると思います。でも自分が選ぶ道なので、後悔はしないように活動してほしいです。

私は地元に帰ることに加えて、複雑な機械に携わって知的好奇心を満たせる環境を求めていました。働き方や環境も含めて、お金以外の価値もあるのではと思っています。みなさんも動いてみることで、自分のやりたいこと、大事にしたいものが見えてくると思います。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
溝渕 愛子

新卒で入社した前職では、早期に昇進試験を受けるなど意欲的に業務に取り組まれていた岡本さん。一方で、将来を見据えてご両親の近くで働きたいという思いもあり、葛藤を抱えておられました。

初回面談後、しばらくご検討されていた時期がありましたが、新型コロナウィルスの影響でご実家に帰れない状況が続いたことで、再びご相談をいただきました。

企業研究をしっかり行い、ご自身の価値観をもとに優先順位をつけて検討されていたことが印象的で、最初から志望度が高かった四国化工機社の面接に、万全を期して臨まれました。

地元の言葉で話せる安心感はやはりUターンならでは。そのうえ、「風通しが良く、刺激のある環境だからこそ、技術者として面白い」というお言葉をいただき、私も嬉しい限りでした。

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