転職成功者インタビュー

株式会社東洋バルブ製造所
清水誠さん(仮名・エンジニア) 40歳

パンデミックに見舞われたことで「家族を守るため、徳島へ帰ろう」という決意が固まった。

清水さんは大学進学を機に地元・徳島を離れ、大学院修了後は愛知県の会社で働いてきた。「いずれは徳島に戻ろう」という思いがあったものの、なかなか踏ん切りがつかなかったという。そんな中、コロナ禍をきっかけに「今がUターンのタイミングかもしれない」と考えるようになり、本格的に転職活動をスタートさせた。現在はバルブのメンテナンスサービスを展開する企業へ転職し、家族とともに徳島で暮らす清水さんに新しい生活について伺った。(※本記事の内容は、2022年6月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
2回
活動期間
エントリーから内定まで約90日間

転職前

業種
部品メーカー
職種
技術開発
業務内容
製品設計から試作試験まで自ら手を動かすスタイルの電気製品開発。

転職後

業種
金属加工・メンテナンス
職種
設計、製造、生産管理
業務内容
発電所等で使われる高温高圧バルブのメンテナンス、設計・製作に従事。

小型大量生産のモノづくりから、大型一品一葉生産のモノづくりへ。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

私が勤務する東洋バルブ製造所は、バルブの点検・メンテナンスを手掛ける企業です。たとえば、発電所などの大型プラントには多くのバルブが使われていますが、これらに不具合が起きるとプラント稼働に支障をきたし、引いては人々の生活に大きく影響してしまいます。それを未然に防ぐために定期点検を行い、場合によってはバルブを本社工場に持ち込んで、切削加工や溶接といった修理を施し、新品同様に仕上げるのです。

ここで扱うバルブは大きいもので人の背丈を優に超えます。私も最初に見たときはスケールの大きさに驚きましたね。また、扱うバルブのメーカーは様々、部品も様々、劣化具合も様々ということで、一品一品への対処方法が違います。決まった部品、決まった工程で大量生産をする製品メーカーとは異色のモノづくりの技術がここにはあります。私が担当するのは、メンテナンスを施すバルブの寸法採りや図面製作などです。前職で機械設計をやっていたので、その経験を活かして取り組んでいます。

入社前のご経歴を教えてください。

大学院を修了後は、技術者派遣会社を通じて大手自動車メーカーに3年間勤務。主にソフトウェアの仕様設計から評価実験までを担当していました。その後、空調機器などに使用されるバイメタルスイッチを主力製品とするメーカーに転職。そこでは機械設計や品質管理業務に携わり、11年ほど勤務しました。

転職のきっかけは?

「ゆくゆくは徳島に帰ろう」と考えていましたが、具体的な時期を決めていたわけではありません。「いつかは…」と思いながら、ずっと自分の中で引きずっている感じでした。そこに今回のコロナ禍が起きました。「今の環境で家族をコロナから守れるか…」と考えたとき、「今こそ徳島へ帰るタイミングじゃないか」と思い始めたのです。それでも1年くらいは悩みました。徳島に自分が望む仕事があるのか、といった不安もありましたし。一方で、間もなく40歳を迎える中で、先延ばしにするとさらに転職は厳しくなるのではないかという焦りもあった。それで少しずつ情報収集を始めました。

転職活動はどのように進めましたか?

ネットで転職に関する情報を検索し、地元情報に強そうな転職支援会社を探す中でリージョナルキャリア徳島のサイトに出会いました。早速コンタクトを取って説明を聞いてみると、対応もしっかりしている。「ここならきちんとフォローしてくれそうだ」という印象を受けました。実は他にも大手も含めて2~3社ほど登録していましたが、就業中だったこともあり、それぞれの紹介案件に対応するのが難しくなってしまって。最終的にはリージョナルキャリア徳島からの紹介に絞って活動しました。

今の会社に決めたポイントは?

転職にあたっては、図面や机上検討に終始するのではなく、五感を研ぎ澄ませて製品と向き合うようなモノづくりに携わりたいと考えていました。バルブの再生に強みを持つ当社の事業はまさにその条件に合致していたし、大型プラントの稼働を支えることによって、人々の生活インフラを守ることができる。やりがいをもって働けそうだと思いました。加えて、面接の席で出会った社長をはじめ、専務や参与の存在は大きいですね。懐の深い方たちで「この人たちと一緒に働きたい」と感じました。今も何かにつけ相談に乗ってもらっています。

妻子にとっては徳島での暮らしは初めて。四国の良いところに連れて行ってあげたい。

転職していかがでしたか?

事業形態や人といった周辺環境は大きく変わりましたが、この一年の業務を通して、前職でのモノづくりの経験が活きている、技術が身についていると実感できた点は、自分としては嬉しい限りです。ついでですが、通勤ストレスから解放された点も良かったと思います。渋滞にはまることなく通勤できるというのは、以前住んでいた名古屋では考えられません。

転職して良かったと思うことは?

私が取り組んでいる改善活動は、当社にとっては初めての試みですが、周囲からも好意的に受け入れてもらっているし会社からも期待されている。これまでの自分自身の経験をベースにした活動なので、やりがいを感じています。プライベートではやはり両親が喜んでくれたことですね。まあ両親にとっては、私ではなく、いつでも孫に会えることの方が、ずっと嬉しいのかもしれませんね(笑)。

困っていることや課題はありますか?

今は所属する生産部の業務改善というミッションを担っていて、「全員参加」「見える化」「納得と合意」などをキーワードに週に1回全員参加のミーティングを開き、部署内の各パートの「現状」と、「あるべき姿」とのギャップを洗い出し、具体策を話し合っているところです。

業務改善というのは、究極的には「いかに人の意識を変えさせられるか」だと思っています。仕事というのは一人でやったほうが早いし、やり遂げたという達成感も得やすい。でもそれでは組織として機能しません。みんなで協力して生産性をあげていこう、会社を良くしていこうという考え方にチェンジしていかないと、会社は持続できません。そうと分かっていても、人の意識は簡単に変わるものではありません。何かいい仕掛けはないか…といつも考えを巡らせています。

生活面の変化はありましたか?

最初は私が単身で徳島に戻り、その半年後に妻と子どもも徳島に移住しました。初めての土地に馴染んでくれるか心配していたのですが、子どもは本当に順応性が高くて。転校してすぐに友達ができ、今も毎日楽しそうに通学しています。妻もこちらで仕事を見つけ、徐々に徳島での生活に馴染んできているようです。四国にはいいところがたくさんあるので、コロナが落ち着いたら二人を連れて行ってあげたいと思っています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私のように家庭がある場合は、自分の気持ちを正直に家族に話し、しっかりと話し合うことが先決だと思います。それぞれの生活ががらりと変わるわけですから。その上で、後悔しないようにやりたいことをやればいい。たとえば、今いる会社に不満がある場合は、不満の要因を自分で解決して居心地のいい場所に変えるか、転職して新しいスタートを切るかしかないでしょう。あとは本人がどう決断するか、です。そういったことも含め、しっかりと考えて自分の人生を全うしてほしいと思います。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
四ノ宮 こころ

いずれは長男としてご両親の近くで暮らしたいと考えていた折、予期せぬパンデミックに見舞われ、「家族を守るためにも今が徳島に帰るタイミングなのかもしれない」とご相談をいただきました。初回の面談では丁寧に言葉を選びながら家族や仕事への想いを話してくださり、清水さんの覚悟や誠実さに心を打たれたことが印象に残っています。前職では少数精鋭集団でのモノづくりにやりがいと誇りをお持ちで、そんな清水さんが大切にされている「人間の“五感”を使ったモノづくり」に関われるかどうかが今回の転職のポイントでした。現職との面接の際には職場を隈なく見学し、機械や製品に触り、清水さんが“五感”で感じたことが決め手となりました。今では異業界での挑戦や次世代に向けた組織づくりなど新たな刺激を得ながら、家族の笑顔に囲まれた穏やかな生活にも目を細められています。そんな徳島での生活をお聞きでき、私も嬉しい気持ちでいっぱいです。

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