株式会社ナイスリフォーム
田岡宗介さん(仮名・管理部門) 39歳
40歳を目前にUターン転職を決意。ポータブルスキルを活かしてキャリアチェンジ。
前職では携帯キャリア販売業界でのマネジメント業務に従事していた田岡さん。いつか地元・徳島に戻りたいと考えていたが、決断できずに30代が過ぎていった。コロナ禍での価値観の変化もあり、40歳を目前にUターンを決意。
リージョナルキャリア徳島が開催していたWebセミナーに参加し、個別相談を経て転職活動を開始。選択肢は多くなかったものの、経験・スキルをじっくり棚卸しすることで異業種・異職種へのキャリアチェンジを実現した。
仕事はもちろん、プライベートでも挑戦を続ける田岡さんに転職活動を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2024年1月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで210日間
転職前
- 業種
- 携帯キャリア販売
- 職種
- 店舗運営・新規事業
- 業務内容
- 店舗マネジメント・新規事業推進など
転職後
- 業種
- 建築・リフォーム
- 職種
- 管理部門
- 業務内容
- 総務・人事など
マネジメント経験を活かし、新たな業界・職種に挑戦。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
ナイスリフォームは、徳島県・香川県で住宅リフォーム事業を展開している企業です。私は管理部門で総務・人事業務に従事しており、直近では新卒・中途の採用業務や業務改善に向けたシステム導入の検討などを担当しています。
入社前のご経歴を教えてください。
徳島県出身で、高校卒業後は関西にあるスポーツ系の専門学校へ進学。卒業後は学生時代からアルバイトをしていた縁で外資系の大型小売チェーンに就職し、店舗運営業務を2年ほど経験しました。
その後、携帯キャリアショップ運営を手掛ける企業でスタッフ職として販売業務経験を積み、店長として店舗マネジメントにも挑戦しました。しばらくしてマネジャーに登用され、営業企画として店舗運営管理や新規事業開発にも携わりました。
転職のきっかけは?
ゆくゆくは地元・徳島に帰ろうという想いがあり、これまで何回か転職を検討したタイミングはあったのですが、仕事が充実していたこともあって、なかなか決断できずにいました。
20代の頃は自分のキャリアを第一に考え、仕事中心に過ごしていました。そして、前回転職を考えていた30代半ばの時は、仕事でやり残していることがあり、業界内で積み上げてきた経験やスキルがリセットされる不安もあったので、Uターンするきっかけを見出せなかったんです。
そんな中、コロナ禍でリモートワークを経験したことや、マネジャーとして若いメンバーの価値観に触れる中で、都市圏にいることへのこだわりが薄まる、といった私自身の価値観の変化があり、改めて徳島に帰ることを考え始めました。
自分の中では40歳くらいがUターン転職のリミットだと感じていたこともあり、今回の転職活動は「いいところがあったら」ではなく、「第二の人生だと思って、新しいことにも恐れずチャレンジしよう」と、具体的な転職時期を決めて活動を開始しました。
転職活動はどのように進めましたか?
インターネットを中心に、企業や求人の情報収集をしていました。その時に、リージョナルキャリア徳島が開催していたオンラインセミナーを見つけて参加することにしました。
他にもいくつか転職支援会社に登録していたのですが、徳島の転職市場の相場観などを掴んだ上で応募する企業を検討していきたいと考えていましたし、仕事も多忙で時間を確保することが難しかったので、徳島に特化しており、かつ熱心にサポートいただけたリージョナルキャリア徳島に絞って転職活動を進めました。
今の会社に決めたポイントは?
管理部門の経験がなかったため、転職を開始した当初は検討の選択肢に入っていなかった企業だったのですが、今後さらなる事業拡大を目指していくタイミングであると聞き、成長過程に携われるチャンスがあるポジションだと感じました。
また、企業側から「今までの実務経験やマネジメント経験を活かせる可能性は十分にある」と、ポテンシャルを期待してもらえたことは素直に嬉しかったですね。
ただ、決断にあたっては非常に迷いました。「まったく専門知識のない経理・財務などの経験者がいる管理部門で本当に自分は活躍できるのか」また、「入社してみたらイメージが違うということはないか」という不安も少なくありませんでした
そのため、会社に訪問する機会を何度かもらって、部署のメンバーの皆さんと直接話す機会も設けてもらいました。ミスマッチが起こらないように面接時からサポートしてもらえて、入社後のオンボーディングプランなども提示されたことで、安心して決断できました。
気持ちに余裕が生まれ、仕事・プライベートで新しいことに積極的にトライ。
転職していかがですか?
面接の際に会社や部署の課題なども聞いていたので、入社後のギャップは少なかったです。課題は具体的にイメージできていますし、やるべきこともハッキリしているので、あとは解決に向けて着実に動いていきたいです。
また、私のように転職してきた人材は外部からの視点を持っていますので、組織の課題にも気づきやすいと考えています。そうした視点を忘れずに、会社を良くしていくことに貢献していきたいと思います。
転職して良かったと思うことは?
新しいことを学ぶことが多くて大変ですが、やりがいを感じています。現在は採用業務を中心に取り組んでおり、人生のターニングポイントに携われることが嬉しいです。特に、採用の説明会や内定者とのコミュニケーションなどはとても面白いと感じています。
また、会社の雰囲気が明るく、働きやすい環境が整っていることも良かった点です。当社はアットホームな雰囲気があり役職で呼ぶことは少なく、ニックネームや「さん付け」で呼び合うような社風です。
ほかにも、女性メンバーが多く活躍しており、在籍メンバーの半数以上が女性というのも特徴です。
困っていることや課題はありますか?
仕事面での課題はたくさんありますが、お互いに意見を言い合える環境ですので前向きに取り組めています。
強いて言えば、現在の部署は専門知識を身に付けていく必要があり、新しい情報をキャッチアップしていくことが大変なところです。本や通信講座、動画などを活用しながら、意識して自分の成長のための時間を確保しています。
生活面の変化はありましたか?
生活面は大きく変化しました。まずは健康になりました(笑)。電車通勤から車通勤となったことで、仕事帰りに飲みに行くことも減りました。
規則正しい生活になり、朝起きてランニングしてから出社し、帰宅後は近くの温泉に行くような生活ができています。気づけばランニングは趣味になり、今年は徳島マラソンにも参加する予定です。
また、学生時代からずっとラグビーをやっていたので、小学校のラグビースクールのコーチも始めました。もともと体育教師になりたいという夢もあったので、週末に子どもたちとラグビーができる時間はとても充実しています。そして、私を育ててくれた街へ、少しでも恩返しができることを嬉しく思います。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職を検討する際は、自分ひとりで考えないことをお勧めします。都市圏と比べて徳島の求人は少ないので、どうしても柔軟に検討していく必要があります。一人で検討すると視野が広がらないので、自分のことをしっかりと理解してくれる方に相談してみるとよいでしょう。
地元に詳しい転職支援会社に相談すると、徳島本社の企業経営層や事業責任者との繋がりがあり、会社の内情にも精通しているので、良い出会いを創出してくれる可能性が高まると思います。
また、私は「地元へ帰る」ことを決めるまでに一番時間がかかりました。良い求人・企業があればというスタンスで活動していた時期はうまくいきませんでしたが、今回は両親にも期限も含めて宣言し、転職活動を行うことでご縁がつながりました。ですから、時期を決めて取り組むということも大切だと感じています。