富田製薬株式会社
中川聡さん(仮名・品質管理) 38歳
徳島のあたたかな環境で得られた、キャリアとプライベートの最適解。
関西の製薬メーカーで品質管理としてキャリアを歩んできた徳島県出身の中川さん。これまでのキャリアには満足していたものの、プライベート面の変化もあって働き方や暮らし方を見直したいと考えていた。
そんな中、リージョナルキャリア徳島への相談をきっかけに、徳島へのUターンに向けて転職活動を本格化させる。現在は医薬品原料や透析製剤などを製造する製薬メーカーへ転職し、両親のいる徳島で家族とともに暮らす中川さんに新しいキャリアと暮らしについて伺った。
※本記事の内容は、2024年8月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 3回
- 活動期間
- エントリーから内定まで50日間
転職前
- 業種
- 医薬品メーカー
- 職種
- 品質管理
- 業務内容
- 原料の受入検査、製品の品質試験
転職後
- 業種
- 医薬品メーカー
- 職種
- 品質管理
- 業務内容
- 製品の品質試験
子育て環境を見据え、地元・徳島へのUターンを決断。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
医薬品の品質管理業務を担当しています。主にHPLC(高速液体クロマトグラフィー)などの分析業務を行い、当社が製造する透析製剤の品質試験を担当しています。
入社前のご経歴を教えてください。
前職では漢方を軸とした医薬品メーカーで品質管理業務を担当していました。原料の受入試験、製造した漢方製品の分析業務、微生物試験など、入荷から出荷までの幅広い業務に携わっていました。
漢方の品質管理は多種多様な原料を扱うため、それぞれの特性に応じた試験方法を用いる必要があり、多岐にわたる試験技術を習得しました。
転職のきっかけは?
転職を考え始めたのはプライベートがきっかけでした。当時は大阪に住んでいましたが、実家から離れた環境での子育てに限界を感じており、私か妻、どちらかの実家の近隣エリアで転職を希望していました。
妻の実家は関西でしたが、家庭の事情から子育てのサポートが難しい状況でした。そこで、私の実家がある徳島で両親のサポートを受けながら子育てしたいと考えるようになりました。
転職活動はどのように進めましたか?
当初は大手の求人サイトに登録し、情報収集をメインに行っていました。半年後くらいから本格的に検討を始め、求人サイトでの情報収集や転職コンサルタントとの面談を進めていきました。休日は選考活動の対応で忙しかったです。
ただ、転職コンサルタントや企業からオファーを複数いただくものの、希望条件と合わずに転職活動は少し苦戦していました。転職マーケットの相場観が分かってくる中で、転職目的や希望条件を叶えることの難しさも感じ始めていました。
「自分の希望が叶えられないのであれば、転職しないほうがいいのでは?」という考えがよぎることもありました。そんな折に、リージョナルキャリア徳島のコンサルタントから徳島の企業・求人をご提案いただけた時はとても嬉しかったです。
今の会社に決めたポイントは?
希望勤務地や福利厚生面など、家族と相談して決めた条件をクリアできていたので、迷いはありませんでした。家族のサポートが得られる環境でありながら、自分のキャリアアップも図れる点が大きかったです。
また、面接を通じて会社の雰囲気や働きやすさを実感できた点も良かったです。選考を通じて出会った社員の印象がとても良く、純粋に一緒に働きたいと感じたことも意思決定の決め手になりました。
徳島へのUターンで実現した、充実したキャリアと家族の幸せ。
転職していかがですか?
先輩や同僚は温和な人が多く、コミュニケーションもしっかりと取れているので、良い環境で働けています。
仕事に慣れるまでは大変でしたが、現在は新しい業務を任される機会も増え、自分の成長とやりがいを実感しています。
また、会社として定期的な勉強会や研修、セミナーなどを実施していて、最新の技術や知識を学ぶ機会があるので良い刺激になっています。こうした環境もあり、自分自身の専門性を高められますし、キャリアも着実に積み重ねられていると感じています。
転職して良かったと思うことは?
子育てのサポートを得られたことがすごくありがたいです。私の両親が保育園・病院などの送り迎えや買い物などに子どもを連れて行ってくれるので本当に助かっています。
両親も孫の近くで過ごせることがすごく嬉しいようで、ニコニコしてくれているのは私も嬉しいです。
また、最近二人目の子どもが生まれ、改めて近くに頼れる人がいることのありがたみを実感しています。本当にいいタイミングでUターン転職ができて良かったです。
職場環境にも非常に満足しています。上司や同僚との関係が良好で働きやすい雰囲気があります。
また、会社としても品質面を非常に重視しており、組織ルールや教育訓練といった体制面を整備するだけでなく、従業員の品質への意識も高いので、品質管理部門として事業への貢献が実感できています。
困っていることや課題はありますか?
医薬品メーカー共通の課題かもしれませんが、品質面の規制厳格化を背景に、業務量が増加している点が課題です。それに対応するために人員を増やしていますが、現状はなんとか組織力でカバーして対応しているというのが実情です。
そうした中で、書類対応や他部門との連携など時間がかかる業務がまだ多いので、業務効率化を今後はより一層進めていく必要性を感じています。
現在の業務フローでは一部のメンバーに業務が集中しがちで、担当者への負担が大きくなっています。承認プロセスの変更やデジタルツールの導入なども検討しており、こうした課題に対して組織で乗り越えようと取り組みを始めています。
生活面の変化はありましたか?
大阪にいた時に比べ、子どもの保育園や習い事などは選択肢が限られているので、少しばかり不便に感じることもあります。
ただ、生活面で困ることはほとんどなく、自然も多いので落ち着いて生活ができています。「あすたむらんど徳島」などの大きな公園や施設も近いので、週末は子どもと一緒に出かけてリフレッシュしています。
また、車中心の生活になったことで郊外にある大きなスーパーへの買い物も行きやすくなり、広い敷地に子どもは大喜びで楽しみの一つになっているようです。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職の目的をしっかりと決めて、妥協せずに活動を続けてほしいです。私自身も転職活動を進める中で、妥協しそうになることもありましたが、譲れる部分と譲れない部分を明確にしたことで、結果的に自分が納得できる転職先が見つかりました。
転職すると人間関係や評価、信頼などもリセットされるので、新たな会社に適応していく大変さを感じることも多々あります。その中で頑張っていくためには、転職目的が叶えられる環境かどうかが大切になってくると思います。
もちろん、すべての希望が叶えられる企業や求人はなかなかないかもしれませんが、転職目的を明確にして活動することで納得できる新たなキャリアが見つかるのではないでしょうか。